不思議なパワーを持つ「炭」を農業に活かす

炭には不思議なパワーが秘められています。燃料になるだけでなく、農業でもさまざまな活用法があります。古くはスサノオが土中に炭をまいて稲作をしていたそうです。(宇宙を超える地球人の使命と可能性 木内鶴彦著

木内さんは、臨死体験で意識体となってスサノオの意識の中に入り、スサノオが理想とした「循環型のムラ」の作り方、運営の仕方のヒントを見てきたそうです。ビックリ!!

記紀では、スサノオは、”アマテラスの弟で暴虐の限りを尽くして高天原を追放された”、とありますが、実際はどうやら、”人々に農耕を広め、地球を一つにまとめようとしていた”ようです。

それはともかく、木内さん曰く、地面には電子が流れており、電気を通しやすい炭を置くことで空中の電子を集めることができます。プラスの電位を持つ窒素は炭のおかげで土壌に引き寄せられ、土の中の微生物の作用によって最終的に肥料になります。

植物の生長に必要な窒素は大気中に大量に含まれていますが、植物がそのまま利用できる形では存在していません。その窒素を植物が利用できる形に変える手段が「炭」ということです。

「炭」の世界は不思議なエネルギーに満ちています。臭いを吸着する、肥料を吸着する、微生物のすみかになる、ミネラルの補給源になる、超音波を発生して微生物を増やす…。いろいろな魅力が語られる「炭」、その効果は穏やかで総合的。おかれた環境との微妙で複雑なやりとりの中から生まれ、目に見えにくいけど、じつに奥の深い世界です。

炭とことん活用読本 土・作物を変える不思議パワー, 農文協, 2008

微生物が増えるメカニズム

炭を入れると、まずアゾトバクターなどの非共生性窒素固定菌が増えます。そして、窒素がたまると酸素と水を好む根が近づき、盛んに発根が起こります。

炭はマメ科の根粒菌が共生しやすく、VA菌根菌も発芽しやすい環境のようで、出た菌糸はすぐ根について菌根を作ります。

そうすると、菌糸が土の中にある難溶性のミネラルやリン酸などを吸収し、植物の根に届けることができます。

炭はVA菌根菌を増やす役割を担いますが、菌根菌はたい肥の中に多く生息しているので、炭と同時にたい肥などの有機物を与えるとより一層効果的です。

また、家畜糞尿をたい肥化するときに粉炭を混ぜると、臭いが消えるだけでなく特殊な放線菌や枯草菌が繁殖し、良質の炭たい肥をつくることができます。

そうして作られたたい肥には、土壌病害を抑える抗生物質も含まれています。

微生物は炭素が出す音波・超音波を好む?

「炭の孔が微生物にとって住みやすい環境だから、微生物がよく増えるのだ」というと、そうでもないようです。なぜなら、孔のまったくない炭素繊維を使っても、粉炭などと同様の効果が得られるからです。

微生物が増える本当の理由は、炭が太陽光線や電磁波などの波動を受けると、それを別の音波や超音波に変換して発信します。

すると、その音波や超音波を好む細菌が増えます。その細菌もまた別の音波や超音波を出し、それを好む別の細菌がまた増えていきます。

その結果、炭があると微生物がどんどん増殖していくように見えます。

もみ殻燻炭の使い方

もみ殻燻炭は、イネのもみ殻を炭化させることによって作ることができます。酸素供給を制限して低温でやくと、形が崩れずに良質のもみ殻燻炭が得られます。

もみ殻燻炭の孔隙率は80%、保水性は40%ありますが、孔隙の性質上、十分に湿らせて使わないと水分の供給が途切れてしまいます。使用中も極端に乾かさないことが大事です。

また、生やけ状態のもみ殻燻炭は水をはじくので、保水性や通気性が低下します。

やき上げ温度で燻炭のpHは変化します。長時間燃焼すると灰化が進んで、pH10以上のアルカリ性を示すこともあります。水洗いによってpHを調整することができます。

肥料成分については、窒素は燃焼によってほとんどなくなりますが、リンとカリウムは可溶性の状態でもみ殻燻炭内に残留し、徐々に培養液ににじみ出ます。

ポット育苗土として使用

キュウリなどのウリ科、トマトやナスなどのナス科、キャベツ、レタス、エダマメ、イチゴなど多種類の作物の育苗に使うことができます。

もみ殻燻炭を育苗土に使用することによって、リン、カリウムを供給できること、砂より軽いので苗の移動・運搬作業が楽になること、定植の際の植えいたみも少なくなるメリットがあります。

イネの苗床として使用

イネの育苗に使うときは、1.床土(種をまく場所)、2.覆土(種まき後種を覆う土)、3.覆土の上からまくの3種類の方法があります。

床土に使うと、軸が太く活着の早い苗を作ることができます。さらに、土だけを使った場合と比較して、苗箱の重さが軽くなります。

もみ殻燻炭が覆土に入っていると、冠水したときに表面が固まることがなくなります。そのため、種モミに酸素がよく届くようになります。

覆土の上からまくと、太陽光を吸収し地温を上げる効果もあります。

もみ殻燻炭100%の育苗土でも問題な育苗でき、無農薬栽培に最適な苗ができたという報告例もあります。

木炭

本格的に木炭を作る場合は炭焼き窯を使いますが、畑でも作ることができます。

伏せ焼きという方法は、竪穴を掘り、煙突を立てて燃えやすいものから順に燃やしていきます。しかし、手っ取り早い方法は、穴を掘り、刈込枝葉や剪定枝どんどんくべていき、最後に土を盛って一日置く方法です。

盛り土を取るときは、水をかけて火を消しながら行うと、灰やススを抑えることができます。

イヤシロチ

「イヤシロチ」とは、ほとんどの人間や動物、植物がそこにいると気分が良くなる地、いわば、癒される地のことです。

イヤシロチを作る方法として、炭埋法があります。この方法は、直径1m、深さ1~2mくらいの穴を掘り、活性炭を30㎝以上投入して水を流し、土で埋め戻すという方法です。

炭素を埋設することによって電子が集まり、還元作用が起こります。電子が集まるところは地磁気が高く、マイナスイオンが多くなります。その結果、動植物が癒されたり、気分がよくなる効果が得られます。

炭マルチ

もみ殻燻炭と同様に、木炭をたい肥に混ぜたり株元に盛り上げてマルチにすることによって、作物の生育がよくなります。

通気性や保水性の向上、水の浄化、有用微生物の増加、作物の細根が増えるなどの効果によって、施肥量を減らすことができます。

最後に

焼却処理される予定だった果樹の剪定枝や廃材を炭に変えることによって、二酸化炭素を空気中に排出する量を大幅に削減することができ、地球温暖化対策になります。

さらに、これまで書いてきた通り、炭には作物に好影響をもたらしたり、有用微生物を増加させる働きもあります。まさしく一石二鳥です。

炭とことん活用読本 土・作物を変える不思議パワーでは、篤農家さんの豊富な炭の活用事例が、図や写真と共に紹介されています。炭に関心がある方は、ご一読をお勧めいたします。

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