ハイパワー・マーケティング|ビジネスの心構え
「新訳 ハイパワー・マーケティング」は、世界中の経営コンサルタントやマーケターにバイブルとして愛用されている、巨匠ジェイ・エイブラハムの名著です。
Amazonで3万円とか8万円とかで売られています。
ちょっと手が出ないな…と思っていましたが、大学の図書館に置かれていたので、無料で借りることができました。
本著では、ダイレクトメールやテレマーケティングなどの技術、ビジネスの成功もしくは失敗事例などが豊富に書かれていますが、ビジネスとは何ぞや?どうやって大きくするんだ?という根本的なことについても書かれており、示唆に富む内容となっています。
このページは、個人的に大事だと思った本著のメモです。
成功を収めるビジネスというのは、素晴らしいアイデアや商品だけで始まるものではありません。誰かの問題に対する解決策を提供したいという気持ちから始まるのです。そうしていくうちに、クライアントの人生を豊かにし、そして自分自身の人生や周囲の人たち(家族、従業員や雇用主など)の人生も豊かになっていきます。
新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方、ジェイ・エイブラハム、KADOKAWA、2017
記事の目次
ビジネスとは?

ビジネスとは、単なる金儲けではなく、「クライアントの問題解決」です。
子供と遊べる場が欲しい、雰囲気のいいレストランを探している、儲かる株の銘柄が知りたい…など挙げればきりがありませんね。
ここで、クライアントってなんだ?と思いますが、本著では、「顧客」と「クライアント」を次のように定義していました。
- 顧客:商品やサービスを購入する人(≒消費者)
- クライアント:他人の保護下にある人(≒かけがえのない大切な友人)
クライアントとは、どうやらただの消費者ではないようです。では、「保護下にある人」とはどういうことでしょうか?それは、信頼できるアドバイザーに守られている人です。
何かお困りごとがある人は、本当に必要としているものを必ずしも言葉で言い表せないことがあります。その人は、問題を正確に把握し、解決まで導いてくれる人を欲しています。
電動ドリルの例がありました。
ホームセンターに電動ドリルを買いに行く人は、ドリルが必要なのではなく、「穴」を必要としています。ヒアリングを重ねていくうちに、「穴」ではなく「棒」が必要であると分かった場合、また「棒」よりも「ファスナー」の方がもっと良い解決策になると気づいた場合、「ファスナー」を売る。これこそが、本当の意味で彼の問題を解決したことになり、本当の意味でのビジネスです。
ビジネスの極意としての「卓越論」
ほかの人よりも、はるかに大きな成功を収める人がいます。その人は、たいてい「卓越論」をマスターしています。
卓越論とは、「クライアントのニーズを、あなたのニーズよりも常に優先させることができる能力」です。
クライアントを金づるではなく、大切なビジネス上のパートナーと考え、その人の幸福や成功があなた自身の幸福や成功と直結していると考えます。
ポイントは、
- まず、クライアントの真のニーズを見極め、
- 自分が実際に販売しているものは、商品ではなく、問題に対する解決策であると理解し、
- 自分が販売しなければならないものではなく、相手が必要としているものを販売する
ことです。言うは易く行うは難しですが、「徹底的に相手の立場になって考える」ことが求められます。
成功するビジネスの秘訣

ビジネスを大きくする方法は、以下の3つしかありません。
- クライアントの数を増やす
- クライアントの単価を増やす
- クライアントが購入する頻度を増やす
収入を増やす具体的な戦略はさらに少なく、
- 持っているものを最大限に活かす
- 最大限のものを掛け合わせる
の2つです。
1本の竿に1本の針をつけると、釣れる魚は限られますが、10本の竿に10本ずつ針をつけると、はるかに多くの魚を釣ることができるようなイメージです。
現状を把握する
まずは、現在の強みと弱みを知ることから始まります。例えば、
- 現在あなたが適切に行っていること
- 不適切に行っていること
- もっとうまくできること
- 異なる方法でできること
- もっと効果的にできること
- もっと収益性が高くなるなるようにできること
- 知識はあるけれども行動していないこと
などについて、今一度考えてみる必要があります。
関係性に投資する
たいていのビジネスは、クライアントに再購入を繰り返してもらうことで利益を上げています。そこで、新規クライアントの獲得時に利益を得るという考え方をやめ、関係を維持してもらうことで真の利益を得るという考え方にシフトします。
その方法として、例えば、
- 初回値引きをする
- 値引きはせず、商品の量を増やす
- 値引きはせず、自社の販売員にインセンティブを渡す
- おまけをつける
- 広告宣伝費に使う
などが挙げられます。
USPの構築

USPとは、ユニーク・セリング・プロポジションの略で、「他人をまねするだけの競合を突き放す、独自の魅力的なアイデア」のことです。「業界最安値」「業界最高品質」「手続きがオンラインで完結」などがあります。
できないことを公言しても逆効果なので、できることを言わなければなりませんが、大事なのは、市場には存在しているものの、手付かずの隙間に、力強くUSPを打ち出すことです。
USPはどのように選べばいいでしょうか?ポイントは、最も不足しているニッチ、ニーズ、ギャップに注目することです。
USPはビジネスの中核になるので、1段落以内で、わかりやすく、説得力を持って、魅力的に表現できるまで、じっくり考えなければいけません。
USPを構築して、独自の強みが明確になれば、プロモーション、マーケティング、広告、販売などすべての活動に取り込みます。
そして、セールストークでは、一貫してUSPによる恩恵やメリットをクライアントに伝える必要があるので、60秒間で明確に効果的に表現できるまで練習が必要です。
USPをクライアントの心に確実に刻むには、
- 販売直後にレターを書く
- メールを送る
- クライアントを訪問したりしてフォローアップをする
- 最初の購入を再販売し、USPによって購入する決断ができたことを思い出してもらう
- 特別プロモーションを頻繁に提供する
といった手段が有効です。
お客様の感情的な購入判断に、理性的な理由を提供することが良いマーケティングとされています。強力なUSPは、このときに役に立ちます。
クライアントが得られる最終的な利益を増やす
クライアントは、商品やサービスを購入するのではなく、その結果得られるものを期待して購入します。例えば、利便性、安心感、喜び、達成感などです。
クライアントの満足感を高めるためには、以下のような方法があります。
- 商品やサービスを追加
- 購入できる量やサービスを受けられる時間の選択肢の追加(TFN)
- 組み合わせの追加
クライアントが最終的に望む結果を明確にし、それを念頭に置いておくと、より効果的な追加商品やサービスを提案できます。追加販売は、価格がお得になるときに最大の効果を発揮します。
割引された追加販売で粗利益は下がりますが、サービスに費やす実費は大きく減少し、クライアント1人あたりの利益は増加します。いずれにせよ、覚えておきたいのは、クライアントには買いたい量を選ぶチャンスが与えられるべきだということです。
TFNとは、ティル・ファーザー・ノーティスの略で、契約打ち切りの連絡があるまでずっと商品やサービスを提供することです。NetflixやAmazon music unlimitedなどがありますが、燃料や雑誌などもこの方法で請求できます。
商品やサービスに価値があるのであれば、その供給が止まることはだれも望みません。
事後コミュニケーション
人と人との絆は、コミュニケーションを重ねることで、より強固で豊かなものになります。ビジネスの場でクライアントを維持し、増やしていく秘訣は、継続的で有意義なコミュニケーションにあります。
あまり押しつけがましくなってもいけませんが、あなたがどれほどクライアントの問題解決に役立っているか、あなたがクライアントのことをどれほど気にかけているかを「いつも」思い出してもらうことが大切になります。
また、クライアントはあなたから購入した商品やサービスに本当に満足しているか、価値を感じてくれているかどうかをあなたが「いつも」気にかけている、ということも。
この、「いつも」は、戦略的に行わない限り、決して機能しません。戦略的、つまり継続的かつ目的意識的にクライアントに尽くさなければなりません。
サービス終了後のフォローアップの手紙や電話は、キャンセルや返品、苦情や変更、もめごとなどを大幅に減らし、また解消することができます。そして、先日あなたから購入したことは賢明だったと改めて認識もしてもらえるでしょう。
ブレイクスルー

ブレイクスルーとは、慣習にとらわれない、斬新で、優れた、刺激的な方法です。必ずしも、今までになかったものを新たに思いつく必要はなく、古いものを新しい方法で行う、新しいものを新しい方法で行う、古いものを新たに組み合わせる、なども立派なブレイクスルーです。
ブレイクスルーを起こす人は、常にチャンスに焦点を合わせています。
そのためには、知らないこと、新しいことに目を向ける必要があり、
- 普段のビジネスや生活の活動範囲からできるだけ遠く離れた視点から、アイデア、人、手順、哲学を考察する
- 創造的で飛躍的な成長や成果につながる情報に絶えずアクセスする
- 今までまったく関心のなかったテーマや業界、市場に目を向け始める
- 「群集心理」を受け入れるのをやめる
といったことが有効です。ブレイクスルーを起こすためには、生涯学び続ける必要がありそうですね…。
最後に
本著には、有益な情報がまだまだたくさん載っていますが、さしあたっては、ここにメモしたことをきちんと実行できれば、大きな失敗は防げそうです。
最後に、暫定のUSP載せておきます。
USP
「医食同源」「人は、食べたものでできている。」
健康でありたいならば、健全なものを食べる必要があります。
健全な植物は、健全な土壌で育ちます。
農薬や化学肥料を田畑で使うと、土壌は傷み、地力は低下します。投入した肥料はすべて植物に吸収されるわけではなく、大部分が大気や地下水に流れていき、環境汚染の元凶にもなります。
農薬や化学肥料を使わない農地面積の割合は、全体のわずか0.5%未満。私たちはその少数派です。収穫量を増やすことよりも、健全な土壌と豊かな生態系を維持することに重きを置き、二酸化炭素を農地に固定する取り組みを通じて、脱炭素にも貢献しています。
私たちは、あなたが安心して、活気あふれる豊かな人生を送ることができる手助けをしたいと思っています。
「地球と人類を健康にする。」それが、私たちのミッションであり、存在意義でもあります。
ちょっと長ったらしくなってしまいましたかね…。また推敲したいと思います。



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