脱炭素経営を目指して

脱炭素経営を行うには、事業の中で二酸化炭素の排出量を削減する取り組みと、二酸化炭素の吸収量・固定量を増やす取り組みの両輪を回す必要があります。

まずは、現状について分析してみます。

農業における温室効果ガス削減策

下表の取り組みの欄にあるような環境保全型農業を行うと、補助金をもらえる制度があります。

それぞれの取り組みに対して、どれくらいのCO₂を削減できるのかは、農林水産省がデータを公表していました。

令和4年度地球温暖化防止効果調査の結果について

取組みの種類単位当たり温室効果ガス削減量
(tCO2/ha/年)
有機農業1.04
堆肥の施用2.42
カバークロップ2.14
リビングマルチ1.45
草生栽培1.22
不耕起播種1.80
炭の投入炭の投入量(t)×2.25

例えば、1haの面積で1年間有機農業を行うと、慣行農業と比較したそのCO₂削減量は、1.04tだそうです。

カバークロップ(緑肥)や堆肥はCO₂削減効果がけっこう大きいみたいですね。

不耕起播種は1.8t/ha/年となっています。耕起すると土中の有機物が酸素に触れ、好気性微生物による分解が促進し、土中の有機物が減ってしまうので、耕すより耕さない方が有機物の炭素を多く土中に残せるためでしょう。

炭の投入に関しては、

取組による温室効果ガス削減量[tCO₂/ha]= 投入した炭の量[t/ha]×Fc(炭の炭素含有率=0.77)×Fperm(炭の100年後残存率=0.8)×44/12

という計算式があります。

参考程度に、推定実績を計算してみましょう。これまで約3,000ℓ(100ℓ×30回)の炭を作成して散布しました。炭の比重を0.15とすると、3,000×0.15=450㎏の重量に相当します。

CO₂削減量は、0.45t×0.77×0.8×44/12=1.01tCO₂/年となりました。

これが多いのか、少ないのか、よく分かりませんね…。

温室効果ガスの排出量を概算

次は、CO₂の排出量を概算してみます。

CO₂排出量の算定方法は、国際的な基準が設けられており、環境省のHPからアクセスできます。

グリーン・バリューチェーンプラットフォーム

CO₂排出量は、Scope1、Scope2、Scope3に分かれています。

Scope1は、自社で使った燃料の燃焼による直接排出、

Scope2は、他社から供給された電気や熱などを利用する場合に発生する間接排出、

Scope3は、1,2以外の間接排出を指し、例えば材料を仕入れるときに輸送業者が出したものや、出張するときに使った交通車両が出すものなどが該当します。ですが、完全に把握することはほぼ不可能ですね…。

余談ですが、Scope4という概念も普及しつつあり、自社が提供した製品やサービスのCO₂排出削減貢献量だそうです。

まずは、Scope1・2の排出量を計算してみましょう。CO₂排出量は、活動量×排出原単位で計算することができ、原単位も環境省のHPで確認することができます。

2025年1月に購入したガソリンは、24.08+21.85+23.39+21.26=90.58ℓ、プロパンガスの使用量は、10.7m³×1.86kg/ⅿ³=19.9kgでした。

ガソリンとLPGの原単位はそれぞれ、2.290kgCO₂/ℓ、2.994kgCO₂/㎏なので、

90.58×2.290+19.9×2.994=207.42+59.58=267㎏CO₂でした。年間だと12倍して、3.2tCO₂となります。

電気使用量は、172.0KWHでした。

電気の排出原単位は、電力会社によって異なります。非化石エネルギー(原子力、再エネ)の比率が高いほど、排出原単位は小さくなります。

例えば、東京電力は、0.408㎏CO₂/KWH、北海道電力は、0.531㎏CO₂/KWHでした。

関西電力の調整後排出係数は、0.419㎏CO₂/KWHなので、

電気利用によるCO₂排出量は、172.0×0.419=72.06㎏となりました。年間だと、0.86tCO₂となります。

この調子でいくと、年間4tくらいのCO₂を出しそうです。

最後に

排出量を減らすには、燃料・電気の自給や省エネの製品を使うなどが挙げられます。

特に、燃料は滋賀‐大阪の往復でよく消費するので、公共交通機関を使うことによって、大幅に減らすことができそうです。そこに、廃油からバイオディーゼル燃料を作れるようになると、農作業を賄う分の燃料くらいは自給できそうです。

CO₂排出量を削減するためにできることはたくさんありそうです。

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