付加価値を高める経営

以下の記事では、市場での優位性を高めるために、いいものを作ってプレミアム価格を設定するということが挙げられました。

他にもいろいろなところで、高付加価値化を目指す!という言葉を見かけますが、付加価値とはいったい何なのでしょうか?どうすれば、付加価値を高めることができるのでしょうか?

付加価値について

付加価値の定義

付加価値とは、外部から購入した価値に、自分たちが創造した価値を付け加えたものです。”別の言い方をするならば、自分の会社に働いている人々が稼ぎ出した、賞味の稼ぎ高をいう。(竹山正憲、高付加価値経営の考え方すすめ方、中央経済社、1977)”

付加価値の計算方法はさまざま

付加価値の計算方法については、様々な人が様々な方法を提案しています。ラッカーという人は、販売価格から原価(非付加価値の部分)を差し引けばいいとした一方で、レーマンという人は、それだと減価償却費や保険料も含まれてしまうので、もっと細かく計算しました。

国内を見てみると、中小企業白書では営業利益高や人件費などを足し算して求めています。

付加価値の計算方法は、大きく分けて引き算と足し算の二種類があり、それぞれ計算結果が異なるので、業種や企業形態に応じてどの計算方法を採用するか、要検討のようです。

高付加価値経営について

企業間の競争は、外部から購入してきた価値をもとに、いかに高いあるいは多くの付加価値を創り出すかということで勝負が決まります。

したがって、外部から購入する価値そのものも、高い価値を付け加えるのに耐えられるような、質的に高いものを選択して購入してゆく必要があります。

高付加価値化するのに必要なのは、開発力と合理化力です。開発にあたり、要点は以下の通りです。

  • まず、すでに持っているものすべてを付加価値向上に結びつけて再開発する
  • 新しい商品を作る(継続的に)
  • 計画的に市場を開発する:まずは既存顧客の深耕戦略(既存の得意先に存在する苦情、不平、不満、ニーズを積極的に吸収し、スピード感をもってそれを解決・改善する)
  • 深耕戦略に成功したら、次に狙うべき新市場をハッキリさせて狙い撃ちする
  • 他社に打ち勝つ技術や設備をもつ(それらの技術を売っていくくらいの考え方でないと高付加価値生産体制は確立されない)
  • 時間と空間を効率的に使う:時間当たりの付加価値を追求、効率向上のための戦略目標、デザインやレイアウト、立体化
  • マンパワーを活かす:人材の意欲と能力について、たえざる開発をすすめる

なぜ付加価値を高める必要があるか?

なぜ付加価値を高める必要があるのか?それは、付加価値が会社の利益を確保するからです。

会社は、

  • 利益なくして社会に奉仕(納税)できず、
  • 利益なしには永続せず、
  • 利益なしには安定もしないし、発展もせず、
  • 利益なくして利害者集団を満足させるような配分ができません。

経営者の使命であり会社が存続する目的は、付加価値を高めて必要利益を確保し、適正な分配を続けていくことです。

では、どれくらいの付加価値や利益を生み出す必要があるでしょうか?人件費を基準にすると、「付加価値は人件費の200%以上、税込純利益は100%以上が目安」と、約50年前の本には書かれていました(笑)。今の時代にマッチするんでしょうかね!?

この本では、ただ頑張って働けと言われても、なかなか人のモチベーションも上がらないでしょうから、従業員が経営に参加する必要性を説いていました。

「自分は今年これくらいの給料が欲しいから、これくらいの付加価値を作る必要がある。そのためにはこうしなければならない。」など、もし自分で動機づけできれば、人も楽しみ頑張りながら、主体的に仕事をするのかもしれません。

最後に、

昔も今も、そして未来においても、企業発展の原動力は、そこに働く人々のあり方によって左右されるのである。いかに時代は変わろうとも、これは一つの真理であろう。さらば、企業に働いている人々が、最大の気力・能力を発揮して、仕事の中にやり甲斐のもてるシステムを創り出すことは、経営者の最大の責務ではなかろうか。

竹山正憲、高付加価値経営の考え方すすめ方、中央経済社、P.135、1977

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