持続可能な農業の道を探るシリーズPart 3:これから考えていくべきこと

Part 1、2で工業的農業ではどのような技術が使われているか、それが人体や環境にどのような影響を与えるかについて記述してきました。

ここからは、それらを受けて今後どうすべきか、どのようなことに配慮しなければならないのかを記述していきます。

持続可能であるために満たすべき条件リスト

  • 環境に対する悪影響が少なく、有害物質を大気、地表水、地下水へ排出しないこと
  • 温室効果ガスの発生を減らし、炭素貯留能力を高めること
  • 土壌の肥沃度を保全・回復し、浸食を防ぐとともに土壌の生態学的健全性を維持すること
  • 水の無駄遣いを減らすこと
  • 外部投入資材を地域コミュニティを含む農生態系内の資源に置き換えること
  • 生物多様性を尊重・保全すること
  • すべての人々に十分な食料への権利を保障すること
  • フードシステムから社会的、経済的、政治的不正義をなくすこと

アグロエコロジー(農生態系)

かつて、生態学と農学は分離して研究されていました。生態学は、自然の仕組みの研究を主眼としていたのに対し、農学は科学的な探求を農業に応用することを目指していたからです。

しかし、1960年代に大気汚染や農薬散布の影響に対する関心が高まったこともあり、1990年代に入って農業を生態学的な側面から分析するために、アグロエコロジー(農生態系)という専門分野が広く認知されるようになりました。

現在では、アグロエコロジーは単なる「科学」の域を超えて、持続可能な食料システムを構築するための「実践的側面」、すべての人々の食料安全保障への変革を目指す「社会運動的側面」を持っています。

最後に

スーパーマーケットに行けば様々な食材をすぐ購入することができ、飲食店に行けば空腹を満たすことができます。食に関する需要は、お金さえあれば簡単に満たすことができる現代ですが、便利すぎる故にその背景について考えることが少なりました。

農業には、単に育てられる農作物だけでなく、気候、生態系、生物多様性、エネルギー、水、大地、加工業者、流通業者、小売などさまざまな要素が関係します。

その野菜はどこで、誰によって、どのように育てられたのか?ここまでどのように運ばれたのか?食べて安全なのか?これを食べることによって、間接的に自然環境に負の影響を与えていないか?などについて考え、倫理的な行動を取ることで地球環境保全に貢献することは十分可能です。

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